• ShinFukuda

Polypharmacy ~薬は多すぎてもダメだけど、過度に怖がる必要もない~



薬はなにより、simple is bestです。

少なければ少ないほど、安全にかつ効果的に使えます。

なかにはいらっしゃいます。薬が好きな人。自分はこの薬によって生かされているんだと思い込んでいる人。もちろん重要な薬、それによって命が支えられている薬もありますが、それ以上に無駄な薬が多いのも事実なのです。いまいちど、ご自分の飲んでいる薬を見直してみましょう。

自分がいま飲んでいる薬、全部把握していますか?

薬の名前と用量と、飲んでいる理由が言えたら素晴らしいですね。

分からなかったら主治医の先生に聞いてみましょう。

そして、一度この質問を自分ないしは家族にしてみてください。

「この薬、本当に必要なのかな?」 

そこからすべてが始まります。

何年も同じ薬を漫然と飲み続けているということはないでしょうか。

全部が全部、必須ではないかもしれません。多種類の薬を飲んでいる人、そのうち最低一つは不要である可能性が高いです。5種類以上の薬を飲んでいると、害になる可能性が急激に上昇するということが研究で明らかになっています。いわゆる、「ポリファーマシー」という状態です(ポリ=多い、ファーマシー=薬)。同時に多くの薬を飲むことで、体の中でお互いに反応して効果が弱くなったり、逆に必要以上に強くなったりしてしまうこともあるのです。

自分、もしくは自分の家族のことを考えてみてください。

複数の病院から処方が出ていますか?

それぞれの医者は、ほかの医者の処方を把握していますか?

少なくとも「主治医」と呼べる医者がいますか?

その主治医は、すべての処方の把握をしてくれていますか?

かかりつけ薬局はありますか?

その薬局は、自分の薬の管理をしてくれていますか?

在庫をたくさんかかえていませんか?

薬をどれか減らしたいんです、と言えますか?

こんな例もありました。血圧が低くて具合が悪いという高齢の女性の方。他院で血圧を上げる薬を含め、10種類以上の薬を次から次へと盛られている状態で私の外来へやってきました。私の目からみて、それら10種類以上の薬すべてが不要と判断しました。その方と相談のうえ、長い年月をかけて減薬していった結果、最終的にはほとんどの薬をやめることができ、その患者さんは元気になりました。

なんで薬が増えてしまうのか。これは、医者側の責任も大きいかもしれません。医者になんらかの症状をいうと、だいたい薬が処方されるかと思います。その医者に悪気はありません。患者さんのためを思って処方するのです。医療というのは白黒はっきりすることは少ないため、医者個人の裁量によって検査や治療が決まっていきます。したがって、薬の必要不必要の判断基準も全く違います。薬を処方するときには、薬のメリット、副作用、患者側の要求度を総合して考えます。しかしそれは時に、苦し紛れの処方であったり、ただ患者さんを安心させるため(気休め)だけだったりすることもあります。

その薬は「本当は不必要なもの」かもしれません。ただ、不必要な薬が処方されること自体はそれほど悪いこととは思いません。ある意味、話の流れのなかで処方が決まるのです。これはこれでOKです。

問題は、その薬がそれ以降、漫然と処方され続けていないかということです。漫然と、というのは、都度その必要性をチェックされずに惰性で処方されつづけるということです。

さらに言うと、基本的に医者は変化を嫌います。つまり、これらの薬で何事もなく暮らしているのだから、ここであえて減薬を仕掛けようとは思わないことが多いのです。減薬というのはチャレンジなのです。もしかしたら減薬によって体に不具合がでるかもしれません。医者側は不要だと思っても、実際個々の患者さんの体の中ではどのように作用しているかなんて、わかりません。それぞれの患者さんの薬を全部把握して、さらに必要な薬と不要な薬に仕分けするという作業は、患者さんと医者で行う大変な共同作業なのです。

一方で強調しておきたいのが、必要以上に薬を怖がる必要はないということです。

週刊誌などで、たまに医療批判の記事を見かけます。○○という薬は危険だから今すぐにやめるべきだ!などと書いてあったりします。たいていは、売上上位の薬をやり玉に挙げて副作用を強調して不安をあおるような記事なので、読んでいる人を不安にさせるだけです。心配であれば主治医に確認するのが一番ですので、そのような記事を読んで勝手にやめてしまうことは危険ですのでやめましょう。

世の中に出回っている薬は、非常に厳しい審査を通って認可されているものだけですので、基本的には安全です

繰り返しになりますが、必要以上に薬が重なってしまうことや、意味のない薬を漫然と飲み続けることは良くないので、そのあたりを意識してうまく薬と付き合っていきましょう!

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