top of page
  • 執筆者の写真ShinFukuda

高血圧とのつきあい方


高血圧に関するいくつかの質問についてまとめてみたいと思います。

(2014年の日本高血圧学会ガイドラインと個人的な意見をもとに書いています)

*医師によっても考え方は違いますので、参考までにお読みください。

Q:血圧が高いとなんでダメなの?


A:高血圧を放置しておくと、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病などの病気にかかるリスク、そしてそれらが原因で亡くなるリスクが増加するという研究結果があるからです。喫煙や糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などをもっている人は、さらにそのリスクが増加するので余計に注意が必要です。日本全体でみると、高血圧患者は推定4300万人もいるようです。国民の収縮期血圧を平均で「4」下げることにより、年間の脳卒中による死亡数を1万人、冠動脈疾患による死亡数を5千人減らすことができると言われています。血圧が高くても基本的にはなにも症状がないので、知らず知らずのうちに自分の身が危険にさらされているかもしれないというのもこわいですね。


Q:血圧はどのように測るのが正しいの?


A:血圧測定に関しては、診察室よりも自宅で測る「家庭血圧」の方が重要です。正しい測定方法について、説明いたします。

*手首ではなく、腕に巻くタイプの自動血圧計を用いる。

*座って静かに1,2分待つ(会話や飲酒、喫煙、カフェインはだめ)。

*朝と晩、それぞれ2回ずつ測ってその平均をとる(2回とも記録する)。

  朝…起きて1時間以内で排尿後。朝食や服薬前。

  夜…寝る前。

*なるべく長期間、毎日測り、5日以上の平均で評価する。


Q:血圧はどれくらいまで下げればいいの?


A:基本的に、140/90以上であれば注意をしなければなりません。ただし、これより高ければすぐに薬で治療をしなければならないということでもありませんし、個々の患者さんの基礎疾患や年齢によっても血圧の目標数値は変わってきます。治療のガイドラインはあるものの、実は「絶対にこうしないといけない!」という確立された決まりはないのです。かなり大雑把にいうと、以下のようになります。

① 基本的には140/90未満にしましょう

② 糖尿病の方、腎臓の機能が弱っている方は、130/80未満にしましょう

③ 75歳以上の方は150/90未満にしましょう

(個人的には、②以外の人に対してはそれほど厳しくはしていません)


Q:生活習慣で気を付けることはなに?

A:まずは減塩です。1日6グラム未満というのですが、そうとう薄味になってしまうので家庭では現実的ではありません。でも減塩なくして高血圧と向き合うことはできないので、なるべく心がけるようにしましょう。それから野菜や魚の積極的摂取も推奨されています。減量も大切です。体重が4㎏減るとかなりの降圧効果があります。有酸素運動(毎日30分以上を目標に)や節酒、禁煙も強く勧められています。

高血圧と診断されたらこのような生活習慣の見直しをしていただきます。1~3か月くらい様子を見て、それでも血圧が下がらないようなら降圧薬を開始します(初めから薬での治療を開始した方がよいと判断する場合もあります)。降圧薬には大きく分けて4種類あり、個々の患者さんに応じて種類や用量を決定していくことになります。


Q:急に血圧がものすごく上がってしまった!どうしたらいい?


A:驚いてすぐに受診をする必要は基本的にはありません。深呼吸して安静にしていれば1日もかからずに落ち着きます。もちろん心配な方は診察をさせていただきます。


Q:薬は一度始めたらやめられない?


A:血圧がずっと正常だから薬を止められるかも、と思いがちですが、薬のおかげで血圧が下がっているので薬を中止したらその分血圧は上昇します。したがって自己判断でやめないようにしましょう。医師と相談の上でゆっくりと薬の量を減らしていって、慎重に血圧の推移をみていくということは可能です。

血圧は高くても痛くもかゆくもないために、あまり気にしないという方も多いですね。

逆に、血圧のちょっとした変動に一喜一憂してしまい、過度な心配をしてしまう方もいらっしゃいます。

今回書いたことを参考に、ほどほどに真面目に付き合っていきましょう。

閲覧数:33回
bottom of page