うつの人と、これまでたくさん関わってきたのですが、
あっという間にスッと立ち直る人もいれば、
なかなか負のスパイラルから抜け出せない人もいます。
全然光が見えずに出口までたどり着けない人の特徴を一言で表すと、
【逃避】
です。
人は、動物ですから不安や恐怖心を感じることからは逃げようとします。
ごく、普通の反応です。
動物としては、理解可能な反応です。
でも人間は、いろんなストレスと向き合ってそれを乗り越えていくことで強くなります。
一度でも挫折して、次同じような場面で逃げてしまった場合、
その瞬間は不安や恐怖心から解放されます。
生きていれば、必ずまた困難が立ちはだかります。
それが、前回の壁よりも低くかったとき、
そこを乗り越えられるか否かというところが大きな分かれ道です。
低い壁でも頑張って乗り越えられれば、自信になります。
負のスパイラルから抜け出すチャンスです。
やっぱり無理だって、壁に背を向けてしまったら、
逃避生活の始まりです。
あらゆる困難から逃げて、
逃げて逃げて、逃げ続けて、
すごーく安心で落ち着く、自分の殻に閉じこもることになります。
そしてその殻は、どんどんと分厚くなっていきます。
最終的には、自分が逃げているということからも逃げてしまいます。
逃避している、ということを認めない状態。
逃避している、ということにすら気づかない状態。
自分のコンフォートゾーンが、
自分の周りの半径1mしかない状態。
鋼の壁と天井に囲まれている状態。
さあ、ここまでくると大変です。
まずは自分の状況を把握して、認めるところから始めないといけません。
そして、できることからちょっとずつクリアしていく。
まずは、カーテンを開ける。
次は、窓を開ける。
玄関の外へ、一歩踏み出してみる。
分厚くなった殻を、内側からちょっとずつ削っていくのです。
殻をいきなり叩き割るんじゃなくて。
そこまで重度の逃避ではなくても、
なかなか元気にならない人も多くみられます。
そんな人におすすめしたいのが、
早朝ランニング!
ランニングは厳しいって人は、
早朝ウオーキング!
「いやいや、それはもうちょっと元気になってからやってみます」
えと、気持ちはわかるのですが、違うのです。逆なのです。
気持ちがついてこなくても、無理やり行動をするのです。
それができないって言うあなた。
トイレには行けますよね。水は飲めますよね。
手足が麻痺して寝たきり状態ってわけではないですよね。
できないはずがないんです。
ちょっとずつでいいから。
行動から、脳を変えていけるのです。
逃避は抗うつ薬や抗不安薬では治りません。
薬は、無効であるどころか、害にもなりえます。
患者さん「調子悪い」
→薬追加
→患者さん「まだ調子悪い」
→薬増量
→患者さん「全然だめ」
→・・・薬がてんこ盛り
なんてことも、多々起こりえます。
逃避と立ち向かうには、まずは自分が逃避しているということを認識することが大事。
そして、ほんのちょっとでもいいから行動を起こしていくことが必要になります。
Comments